士気

士気とは本来は軍隊における個人、あるいは部隊の自己の任務に対する遂行の意欲の度合いを言いましたが、近年ではもっぱら一般人の士気として勤労意欲や生活意欲やの度合いを示す言葉となっています。ただしそれらの意欲の単なる主観的な昂揚感としてではなく、そこに結果される仕事の出来高すなわち生産性の度合いをもって士気の度合いを考え、これと集団の諸特性との関係などが産業心理学の課題として研究されています。例えば集団の士気を昂湯するための条件は、その成員たる各人が自己の仕事の社会的意義を理解し、その仕事が集団の全体的活動に対して如何なる役割を有するかを認識し、仕事の将来性について明るい見通しを持ち集団の他の成員に対してよい人間関係を保ち、その集団への所属を誇りとし、自己と集団とが利害と運命とをともにすることを自覚する事などです。