社会的交換理論

社会的交換理論とは、対人開係の成立、友誼の発生等を、商取引における売手と買手との交渉のように見なして、対人関係の諸相を説明する説です。ここで扱われる商品は無形で人間的属性にかかわるものです。つまり承認や不承認のしぐさや、同意や不同意の印し、愛情の告白や拒否、尊敬や軽蔑のまなざし等になります。交渉の当事者達は各々にお金をかけ、たとえば卑屈になり、自尊心を抑え、相手の気待を付度し、不安感を押殺しなどして報酬を得ます。たとえば承認や同意を獲得し、称賛の眼差しや言葉を受取ります。この報酬と費用とが妥当な均衡を得て利益が確保されれば、当事者たちは再び交渉を持つに至ります。二同目以後の交渉は、当然双方共に費用は少なく、利益が増大し、この関係の維持に心がけると思われます。これは当事者間の友誼を発生させて、さらに深化を招き、交渉の手続も、やがて慣習的な期待を生み、双務的な規範が面者の行動を規制するようになります。ただし何が当事者たちに報酬であり、費用であるかは、当事者たちの求めるものと、場面場面の認知に依存するために、可視的な商取引とは、かなり様態を異にすることは前提とすべきことです。権威、社会的地位、能力の有無等、比較的可視的な属性の場合ほど本説がよくあてはまるのはこのためと考えられます。

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